おんな城主 直虎 第4回「女子にこそあれ次郎法師」感想&解説など

おんな城主 直虎 第4回「女子にこそあれ次郎法師」感想&解説など

 第4回目はおとわの出家について描かれていました。

 第3回 で今川への人質を免れたおとわは、出家をすることで井伊の本領安堵、という今川の決定に従うことになります。

 出家したら結婚できないわけでして、そのあたりのことを理解していなかったおとわは後になって嫌々するのですが、そこは母親である千賀にうまく言いくるめられて、出家することになったわけです。
 この時つけられた出家名である「次郎法師」とは、作中でも語られていましたが、次郎にしろ法師にしろ、井伊家の惣領名であり、それをくっつけたものだったそうです。
 惣領名とは何ぞや、ですが、要は跡継ぎが幼少時に名乗った名前のことですね。

 例えば主家である今川家などでは、歴代当主は龍王丸という名を相伝しています。全員が、というわけではありませんが。

 さて出家したはいいが、一日で耐え切れずに実家に戻ってくるおとわ。

 寺での生活は非常に厳しく、これまで領主の姫として育てられてきた者にとって、そう簡単に馴染めるものではありません。

 そんなおとわに対し、相変わらず生臭坊主臭の漂う対応をする南渓瑞聞こと南渓和尚ですが、その弟子である傑山と昊天という僧が登場します。

傑山と昊天

 以前からちょくちょく顔を出していた僧ではあるのですが、この二人はいったい何者であるのか、せっかくなので軽く解説しておきます。

・傑山

 正式には傑山宗俊(けつざん そうしゅん)といいます。

 ドラマでの人物紹介をみると、龍潭寺におけるおとわにとっての兄弟子で、武芸に秀でており、のちの直虎のボディーガードの役割を果たし、陰で支えていく……とありますね。

 史実では弓に秀でていたようで、戦に赴いたこともあったようです。

 その戦とは小牧・長久手の戦いであったといわれています。

 この戦いが起こったのは1584年(天正12年)なので、実はこの時すでに直虎は死去しており、この世にはいません。
 小牧・長久手の戦いに参陣したのは井伊直親の嫡子である井伊直政であり、直政は先鋒として出陣し、傑山はそれに従ったようです。

 というわけで、この『おんな城主 直虎』では、描かれない場面かもしれません。

 ちなみに傑山は南渓和尚の跡を継いで、龍潭寺の三世住職となったようです。

・昊天

 こちらも正式には昊天宗建(こうてん そうけん)といいます。
 ドラマの紹介では、武芸派の傑山に対し、昊天は頭脳派といったおもむきのようです。
 確かにそんな感じです。

 昊天もまた傑山と同じく小牧・長久手の戦いに参加、直政が武功を挙げるのに一役買ったみたいですね。

 そして昊天ものちに龍潭寺五世住職となり、更には妙心寺の住職も務めました。

 生まれは分かってはいませんが、没年は1644年(寛永20年)だったそうです。

 ……1644年、ですか。
 確か物語の開始年代は1544年(天文13年)だったはずで……。

 まあ配役の関係上、今回は全体的に老けてる見た目の登場人物だらけなので、ここはもう突っ込みませんが、だとしても確実に100歳越え。

 生年は不明とはいえ、没年から考えれば少なくとも第4回の時点で昊天はまだ生まれていない、と考えた方が自然な気もします。

 現在でこそ100歳越えの方は珍しくありませんが、それでもかなりの長生きといえる年齢です。
 しかし当時の寿命は現在よりかなり低く、桶狭間の戦いの前に「人間五十年~」と誰かさんが言っていますが、たいていそんな程度でした。

 直虎の曽祖父である井伊直平などはかなり長命で長生きした人物ですが、それでも75~85歳であったとされていますしね。

 ちなみに余談を少々。
 『敦盛』に出てくる一節の「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」の意味を、「人の一生は五十年」、という風な意味で使われることが多いのですが、実はこれは誤りであったりします。

 実際には「人の世の五十年の歳月は、下天の一日にしかあたらない」という意味になるそうです。
 「下天」というのは六欲界の最下位の世のことで、いわゆる天界の一つであり、天界に比べれば人の世の流れなど儚いものである、という趣旨になるわけですね。

 これは桶狭間の戦いを描く時には大抵出てくる有名な言葉なので、もし今回のドラマで出てくることがあれば、思い出していただければ、また違った見方ができるかもしれません。

井伊直盛と小野政直

 おとわが出家して悪戦苦闘する一方、井伊家の中では小野政直の専横に対し、なら暗殺してしまおう、という家中の流れになっていきます。

 言いだしっぺは相変わらずの脳筋・直平。
 物騒ですねえ。

 それに対し、当主である直盛は家中の大半を占める意見に反し、政直を助ける決断をしました。

 小野政直・政次親子は井伊家にとっての奸臣とされており、この二人のおかげで井伊家はかなりの痛手を被り、滅亡の危機にすら瀕します。

 しかし直盛が存命の間は二人とも案外大人しくしているんですよね。
 父親以上にあれこれやった政次も、直盛が死去した以降に専横を極めだすので、そういった意味ではある程度奸臣を抑えることのできる力のある人物だったのかもしれません。

 今回はそういった一面を描いているな、と感じました。

 さて異例の子役4回連続出演はこの第4回にて終了。
 最後のシーンで成長したおとわこと次郎法師に変わりましたね。

 次回は大きくなった亀之丞が戻ってきます。
 本格的に物語がスタート、というわけですね。


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