飯尾連竜 ~今川への逆心ありか、遠州錯乱

飯尾連竜 ~今川への逆心ありか、遠州錯乱

鋏具に雁金 飯尾連竜とは今川家臣の一人であり、遠江国の曳馬城主です。
 義元死後の今川家の混乱である遠州錯乱において、曳馬城において今川軍を撃退し、大将であった新野親矩を敗死させました。

 またその妻はお田鶴の方としても知られています。

 飯尾連竜(いいお つらたつ)
 生年  不明
 没年  1566年(永禄8年)
 主君  今川義元⇒今川氏真
 親   父:飯尾乗竜
 兄弟  松井宗親室 連竜
 妻   お田鶴の方
 子   義広 正宅

飯尾連竜の生涯

 飯尾氏は元々室町幕府の奉行衆であったようですが、駿河国へと下向して今川家に仕え、代々家臣となっていました。

 連竜の生年は分かっておらず、父親である飯尾乗連は1560年の桶狭間の戦いで戦死したといわれており、その頃に後を継いで曳馬城主になったものと思われます。

 この桶狭間の戦いは今川家に大混乱をもたらし、離反や裏切りが相次ぎます。

 連竜もまた徳川方に内通したとされ、それを知った主君・今川氏真は曳馬城を攻めました。

 連竜は奮戦し、激戦となった曳馬城攻めにおいて、寄せ手の大将であった新野親矩や三浦正俊、中野直由らを討ち取る戦果を挙げる一方で、飯尾方でも重臣が戦死するなど、双方に被害が出る結果となったようです。

 結局今川方は曳馬城を落とせずに撤退します。
 氏真は連竜と和睦をするものの、その後氏真は連竜を駿府に呼び寄せ、謀殺しました。

史料による相違

 連竜の生涯は概ね上記の通りですが、後世に伝わる史料によっては細部に違いがみられます。

・『改正三河後風土記』

 この史料によれば、連竜が徳川家康に内通し、新井白須賀邊の駅舎を放火したことに対しての疑いに対し、氏真が真偽を問い質すために新野親矩らを大将に三千の兵を差し向け、問答無用で攻撃したということになっています。
 真偽を問い質す目的のはずなのに問答無用、というあたりは何やら矛盾していますが、ともあれ連竜は全く怯まず防戦し、これを撃退。

 これによって氏真は更に怒り、更に大軍を募って昼夜を問わずに攻め寄せるも落ちなかったそうです。
 連竜はあくまで自分は諮られたのであり、遺恨などは無く、ただやむなく戦ったにすぎない。早く無実を晴らして忠勤したい、という起請文を出し、今川軍はそれを受け取って引き上げたとされます。

 その後罪を許され、その謝礼のために駿府に訪れたところで氏真に謀殺されました。

 ちなみに『改正三河後風土記』は近世に書かれた徳川氏創業期に関する歴史書です。

・『井伊家伝記』

 これによれば、連竜は曳馬城主であった井伊直平の家老であったとされています。
 天野左衛門尉が今川に対し背き、天野左衛門尉の縁者やお田鶴の方と共に連竜を説得し、直平に反逆しました。
 直平はお田鶴の方にすすめられた毒茶により毒殺されます。

 その後連竜は同心者を募り、曳馬城に篭城。
 これに対し氏真は新野親矩、中野信濃守らに命じて攻め込ませるも、両人とも討死してしまいます。
 連竜が曳馬城主になったのはこの時であるとされています。

 この頃、甲斐国の武田信玄が駿河に攻め込もうとしており、氏真は連竜に対して武田の兵を防いでくれるならば連竜の息子に自身の娘を遣わすと申し入れます。
 連竜はこれを誠実であると思い、受け入れて駿府に向かうも、その場で切腹させられることになりました。

 ちなみに『井伊家伝記』は井伊家の伝承を記した歴史書であるものの、その信憑性はかなり低いものであるようです。
 例えば井伊直平が曳馬城主であったことは、明らかな誤伝といえます。

・『武家事紀』

 この史料においても曳馬城での防戦や、連竜が駿府にて切腹までの流れは同じですが、その駿府での最期において、連竜は自身の屋敷に立てこもり、奮戦しました。その際、打ち手の新野親矩などが、ここで戦死したことになっています。

・『武徳編年集成』

 これによると曳馬城篭城戦は無く、家康に内通したという風説を何者かに流され、真偽の確認のために駿府に呼び出されることになっています。

 そして駿府城二の丸において、飯尾夫妻が休んでいるところを、氏真は100名の兵によって襲撃し、連竜は20~30の兵をもって防戦するものの衆寡敵せず、夫妻共々討ち取られとされています。

 またこの時、妻であるお田鶴の方は薙刀を手に奮戦し、今川方の兵を10名余りも切り伏せたという活躍をしました。
 これを駿府の小路の戦い、と称しています。

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補足だか蛇足だか

信長の野望 創造 戦国立志伝より、能力値

  統率 武勇 知略 政治
飯尾連竜  42  44  49  41

 いくら相手が今川氏真といっても、曳馬城での奮戦を考えると過小評価されているような気も。
 もっとも氏真からみれば、この能力値でも十分強敵かもしれませんが。

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